よく晴れた土曜日。トリノならともかく、ローマの街中でJUVEユニを着るのはさすがにビミョーなので、肩のところにさりげなくついたチームエンブレム以外はパッと見JUVE服には見えないTシャツで街歩き&お買いもの。
ランチに入ったレストランで会った、これからスタジアムにも行くというJUVEとMILANが混じった10人くらいの家族連れにはバレたけど、夜の試合のために昼間っからユニを着て観光してるのはJUVEっ子もMILANっ子もあまり見かけなかった。2012年の決勝の日にはトレヴィの泉とかスペイン広場にはいたから、歩き疲れて休んでるのかしら…
ポポロ広場から門を出て通りを渡ったところにあるトラム乗り場には、17時を少し回ったくらいだったにもかかわらず既に両チーム取り混ぜてすごい人だかり(酔っ払い多数)ができていて、ぎゅうぎゅうにトラムに詰め込まれて運ばれて行く。
そんなトラムに友達と別れてひとりで乗り込むのもなんだかなではあるけれどこれに乗らないことにはスタジアムには行けないし、かといってあんまり早く行ってもしょうがないから18時になったら動くことにして、激しく汚かった記憶しかないスタジオ・オリンピコのバーニョは避けてトラムに乗り込む前に乗り場前のバー・キンでお借りする。
ここのバーニョは地下にあって、男子用は階段の上まで人がわちゃわちゃに並んでるけど「ぺるめっそ~」と言いながらかき分けていくと、女子用はすぐ入れる。きちゃなさはフツー(当然、便座なし。足元の水?に気をつけて中腰で使うレベル)。
18時になったので、朝からここまで付き合ってくれたYちゃんと別れてトラムに挑む。
1段高くなった島の上にわらわらと人が乗っかってる状態の中、何となくJUVEっ子のグループのそばに立ってトラムが来るのを待つけど、扉が開いた途端にどんどん乗り込むから、車内は白黒グループと赤黒グループがぎゅうぎゅうに混じりあったまま出発。
「暑いよ~」「窓開けろ~」と大騒ぎの中、どこからか「Chi non salta bioanconero e e」と跳ね出したグループ現れ、当然すぐに「Chi non salta rossonero e e」と応戦が始まり、緊迫感が漂うかと思った途端になぜか「Chi non salta nerazzurro e e」の大合唱でみんな跳ねるという和気藹々のトラムはとっても楽しかったのに、混みすぎててスマホが出せなくて写真も動画も残せなかった、残念。
30分ほどで終点のマンチーニ広場に到着、ここでミラニスタはこっち、ユヴェンティーノはあっちと警官にルートを完全に分けられ(同じグループでも違うユニ着ていると分けられてしまう徹底っぷり)、通常スタディオ・オリンピコに行くのに使うダオスタ橋はミラニスタ用となり、ユヴェンティーノは1本上流のミルヴィオ橋まで迂回させられてしまう。
遠回りさせられたけど、こっちの方が上流だもんねと優越感をもって橋を渡る♪
このミルヴィオ橋、ウィキによるともともとは紀元前206年、執政官ガイウス・クラウディウス・ネロがメタウルスの戦いでカルタゴ軍を撃退した後にこの橋を建設したという歴史あるものらしい。
しかもあの「恋人どうしが2人で南京錠をかけた後、川に背を向けて鍵を投げ入れる」儀式の発祥の地(フェデリーコ・モッチャ著「Ho voglia di te」)ではないか。いまだにいっぱいかかっていたよ、みんな幸せに結ばれたかなw
スタジアムそばの駐車場にはものすごい数の観光バスが止まっていて、どのバスにもCLUB DOCのフラッグがかかっている。ナンバーを見るとイタリア各地はもちろんのこと、ヨーロッパ中のJUVENTUS CLUBが応援ツアーを仕立てて来ていることがうかがえる。いつかJCGも応援ツアーできるといいねぇ。
やっとスタジアム前にたどり着くとオベリスクのある広場辺りもフェンスで区切られていて、完全に両チームのティフォージが混ざらないようしてある。これはまずい…。
というのも、帰りに送迎サービスの車を頼んでいて、ドライバーとの待ち合わせ場所がオベリスクなのにこれじゃたどり着けない。慌てて警官つかまえて試合後には通れるかを確認。お礼を言って別れたらもうひとりつかまえて念のために再確認。
ふたりともフェンスはキックオフまで、試合後は通れるって言ってたからきっと大丈夫。
ここまできっちり分けてるくらいだから、きっと入場も時間かかるんだろうとパチもんマフラーを手に入れて、早めにゲートに並ぶ。
私の前に並んだ人はスイスから、後ろのじいちゃんトリオはミラノから来てて、その中のひとりは東京に行ったことがあるって言ってたなぁ。
日本人でJUVEのファンだっていうと、かなりの確率で1996年のTOYOTAカップを観たかと聞かれ、スタジアムで観たよと答えるとめちゃうらやましがられたり、ほめられたりする。あれから20年以上経ってしまったけど、変わらずにみんなのいい思い出だよね♡
ゲートではプリントアウトしたチケットのバーコードを通すだけで、JUVEスタのようなボディチェックはなし、カバンの中身チェックも私はされることなくあっさり入場。
席に着くと、コッパ・イタリアだというのに周りからはほとんどイタリア語が聞こえてこない奇妙な感じ。でも白黒ユニ着てるし、海外のDOCに割り当てられたエリアなんだろな。
試合前にはバックスタンド前でミニ・ライヴがあった。毎回Radio Italiaが推す若手アーティストが出るらしく、過去にはArisa, Malika Ayane, Alessandra Amoroso、Chiaraらが出演しており、この日のゲストはLorenzo Fragolaくんだったが、JUVEクルヴァからブーイングが出てたから少なくともユヴェンティーノではないんだな。
そうはいってもマメーリを歌いに出てきた時にはスタジアム中で大合唱、両クルヴァのコレオもとってもかっこよかった~。
VIDEO
試合の方は延長戦の末、モラ太郎のゴールでJUVEの勝利。
優勝セレモニーも、ゴールポストによじ登ってはしゃぐ選手たちもたっぷり楽しむことができました。
幸せな気持ちでゲートを出ると目の前に打ちあがる盛大な花火、本当に勝つって大切。本当に来てよかった~。
ご存じのとおり21時キックオフのナイトゲームは、普通に終わってもスタジアムを出るのはほぼ23時。それが延長戦になると23時半、 PKまでもつれ込むとセレモニーが終わる頃には24時を過ぎてしまう。
流しのタクシーはいないし、昼間でも難し いバスの乗り継ぎをひとりで深夜バスで出来るほどローマに慣れてないし、土地勘もない。それを考え るとコッパ決勝をひとりで観に行くことは正直躊躇してしまうころなのだが、次にいつイタリアへ行ける かわからないし、その時にJUVEが決勝に進めるとは限らない。なので、送迎サービスに相談しました。
こ れがまたホントにお願いしてよかったと思えるサービスで、料金はあらかじめ決まってるからぼられる心 配はないし、運転は通常のイタリアモードの速さなのにびっくりするほど上手だし、車はきれいで快適だ し、周りに試合に負けて殺気立った人はいないし、運転手さんは親切だし、車を降りてからも建物の中に 入るまで見届けてくれるし。
なにしろ試合が何時に終わろうとも(延長料金は発生するけど)確実に帰り の足が確保されている安心感はプライスレス。試合の結果が良くても、帰り道にトラブルやいやなことが あったら台無しだもんね… そんなこんなで2016年春イタリアの旅、最後を飾るイベントは楽しく終わるのでした(ほかのことをまだ 何も書いてないけど、まぁそのうち多分…とりあえず花火でごまかそう)。