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ショパン 炎のバラード/ロベルト・コトロネーオ著、河島英昭訳(集英社)

ショパン 炎のバラード/ロベルト・コトロネーオ著、河島英昭訳(集英社)_d0043369_171215100.jpg原題はPRESTO CON FUOCO(Roberto Cotroneo)

内容(「BOOK」データベースより)
時は20世紀末、スイス山中に隠棲する老ピアニストが死を前にして自らの生涯を回想する…巨匠ベネデッティ・ミケランジェリを思わせる天才ピアニスト「私」は、1978年、パリで、亡命ロシア人の追跡をうけ、ショパンが死の直前に書き遺した謎の楽譜を託される。
それは「バラード第四番作品52」の未発表フィナーレ『プレスト・コン・フオーコ』。秘められた恋人に捧げられていた。
楽譜はショパンの死後、数奇な運命を辿って流転、革命と反革命のパリからナチス支配下のベルリン、スターリン体制下のモスクワ、さらにはサンティアゴへ―歴史の奔流に弄ばれめぐりめぐって今は「私」の手にあって、手稿譜の解明とともにショパンの秘恋が暴かれていく…。カンピエッロ賞受賞作。


手に取った本がどんなにいろいろな意味で自分に合わない本でも、全部読まないと本当に合わないという判定をしていいのかわからないから、読みながら腹立たしくなろうといやな気分になろうとよっぽどのことがないと本を途中でやめることは滅多にない。なのに2010年の読書の最後を飾るはずだった『ショパン 炎のバラード』、これは残念ながら久々に完読できなかった。

ウンベルト・エーコ激賞、訳は河島英昭さんと聞いたら文章にも内容にも大きな期待をもってのぞんだのだけど…。実在したピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ(Arturo Benedetti Michelangeli)をモデルとした主人公「私」がショパンのバラード第4番の自筆稿を巡る諸々を回想して語るらしいのだが、恥ずかしながらそのピアニストのことを知らない身には「私」がどんな人物なのかさっぱりわからなくて感情移入できないうえ、「私」の語り口が難しくてなかなか物語に入りこめない。
それでも少しずつ読み進もうとがんばってはみたものの遂に時間切れ。図書館で次の人の予約が入っていたから返却期限が来てしまった。
ショパンやミケランジェリについてあらかじめ知識のある音楽ファンにはきっと面白い内容なのだと思う。ま、このままでは悔しいのでいつか機会があったら再読に挑戦するつもり。
by s_fiorenzo | 2011-01-30 17:21 | BIBLIOTECA


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