CENTOCHIODI:ポー川のひかり

d0043369_1233664.jpgイタリア映画界の巨匠Ermanno Olmi監督の生涯最後の劇映画(監督はまだお元気です)という触れ込みだが、Olmi監督の映画を観るのは初めてだし、むしろ“ポー川好き”として公開を楽しみに待っていた映画「ポー川のひかり」

岩波ホールでの単館上映で、平日の初回に行ってみた。上映30分前にチケット売り場に着くとすでにかなりの長さの列、平均年齢高め。切符を買った人を見ると、一般料金のピンクのチケットを持った人は皆無、全員グリーンのシニア料金チケットを持っていらっしゃる。そんな中で一般料金払うのってなんだかすごくお損な感じ…。その時間に行っても最前列しか空いていませんでした。後ろの人ごめんね、座高たかくて。

夏休みに入ったばかりのボローニャ大学図書館、古文書の部屋。キリストさんの磔刑に使われたような太い釘が無残にも打ち込まれ床に散らばる美しく装丁された貴重な古文書の数々…。怒りを覚えるほどしょうもない本でも捨てるとなると躊躇するような本好きには心が痛むシーンから物語は始まる。

謎解きサスペンス風のオープニングだが、犯人はいきなり明かされる。国際的にも評価され、学生の人気も高く、将来を嘱望された哲学科の若きイケメン教授。乗ってる車はBMWのカブリオレ。女子学生にも手を出す。哲学の教授からイメージする姿とは違うチャラ男。
どうも“本、特に神の言葉に支配された”今までの自分に嫌気がさして、自分探しの旅に出ちゃったみたい。ポー川の河原に降り立って、車のキーも財布もジャケットも水の中に投げ捨てるがクレジットカードと現金はちゃんと抜いてある。河原に廃屋を見つけて、論文を燃やして暖を取り、そこに暮らすことにする。教授が旅に出て、廃屋で夜を明かすまで台詞はほとんどない。聞こえてくるのは2席隣のおじさんの大きないびき。隣だったら鼻つまんでやるのに…。
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教授は近隣の人々からキリストさんと呼ばれ、差し入れを始めとして日々の生活の手助けを受け、逆に彼の言葉が人々の心を癒す…って気がつくと教授は拒絶したはずの神的な存在になっている。ポー川はヨルダン川の象徴か?
そんな状況に違和感を覚え始めた頃、教授はカラビニエリに所在を突き止められ連行される。カラビニエリがローマ兵に見えてきた…。

釈放された後のある日、村への道を歩くキリストさんの姿を見た、キリストさんと話したという人たちがあらわれ、村人たちは待ちわびた人の帰りを祝う用意をするが、なぜか彼は現われない。やがて夏が終わり、秋が過ぎ、冬になっても彼は帰ってこないまま映画は終わる。

観終わった直後の感想は「これで終わりぃ???」
本に囲まれ、学問を追究するより、人と交流することに価値を見出すことはうなずけた。でも、なぜ自分を受け入れ、待っている人たちのところへ帰らないの?河原の小屋に帰ったら自分が拒絶した神のような存在に戻ってしまうから?…etc.結論が出なくて消化不良だ~!

ただ、ポー川好き目線はかなり満たされました。いつかは乗りたいMantovaからのポー川下り
クレジットにBagnolo San Vito、San Giacomo Po、San Venedettoと出ていたから、ロケ地がどのあたりかはググってね。場所的にはボローニャの北西、モデナの北あたり。
これより10km弱上流はこんな感じ。
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2007、Italia
Regia:Ermanno Olmi

Il professore:Raz Degan
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by s_fiorenzo | 2009-08-13 01:44 | FILM | Comments(2)
Commented by がっちゃん at 2009-08-18 14:24 x
東京は公開の始まりが早いですね。大阪は今秋からなんですよ。
来週のレディースデイを狙って観にいこうかと思いますが、
先週見た、「湖のほとりで」もその前に見た「セントアンナの奇跡」も
ミニシアターだったので、満席に近く、両方とも最前列で見ました。
この映画を見たらまた感想をアップしますので、その時は是非
トラックバック送ってくださいね。
Commented by s_fiorenzo at 2009-08-18 23:12
>Ciao!がっちゃん
「湖…」とどちらに行くか迷って、「湖…」をやっている映画館はレディースデーがあるのでそれを狙おうかと(笑)
この映画、私には「?」でしたが心に残るものはあるので、DVDになったらまた観ようかなと思ってます。
楽しんできてね~♪


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